ギリシャ ・アテネ観光では、パルテノン神殿を始めたしたギリシャ神殿を巡る観光がメインになります。パルテノン神殿やゼウス神殿などの建築物はどこがどう違うのか、どこを見るべきなのか分かりづらいと思います。大きくて古い遺跡なだけでなく、歴史やアートの観点から見るとより興味が湧いてきます。
アテネ観光をさらに楽しくなるよう見るべきポイントを、写真とともにわかりやすく簡単にまとめましたので、ぜひ旅行に行く際にチェックしてくださいね。
西洋建築史はいつから始まった?
西洋建築史のスタートはいつで、どこでしょうか?西洋建築と聞くと難しいかもしれませんが、西洋建築とは、簡単にいうと石造りをベースとした丈夫な建築物です。
今回は、ギリシャ神殿をベースにアテネ観光地にある建築物を解説し、建築物の見るポイントをご紹介していきます。
もう少し詳しく
ギリシャ文明をベースに発展させたローマ帝国が欧州各地に進出し、キリスト教とローマ風の建築物を残したと考えたら、西洋建築の原点がギリシャ神殿ではないかという見方があります。
ローマ帝国は、紀元4世紀末から5世紀にかけてゲルマン人がイタリア半島に侵入したことで、476年に滅亡しました。(西ローマ帝国)
- ギザ(エジプト)のピラミッド 前2545~2520頃
- バビロンの王宮(ユーフラテス河沿岸)前6世紀前半
- パルテノン神殿(ギリシャ・アテネ)前438年頃
ここからは紀元後で
- コロセウム(ローマ) 69~79年(1世紀)
- パンテオン(ローマ) 118〜135年(2世紀)
- カラカラ浴場(ローマ) 211~216年(3世紀)
パルテノン神殿(ギリシャ)の見るポイント
一部のパルテノン神殿のパーツ、実は隣の「Acropolis Museum(新アクロポリス美術館)」に展示・保管されています。そのため、現地で見られるものはレプリカです。美術館に保管されているものが何かというのを事前に知っておくのがおすすめ!
アクロポリスとは、「高い丘の上の都市」という意味
もしお時間があるようでしたら、両方行くと本物を間近で見ることができます!現地は入れる場所が決まっており、なかなか近くで見えないし大きいのでサイズ感がわかりづらいです。美術館に行くと目線に合わせて展示してあるので、より細部まで楽しむことが出来ます。
見るべきポイント1はオーダーと言われる「柱」
ギリシャ神殿を支えている柱と梁のデザインには5種類あります。これを「Order(オーダー)」と言います。世界史で習ったの覚えている方はいますでしょうか?
ギリシャ時代のオーダーはドーリア式、イオニア式、コリント式の3種類。ローマ時代のオーダーは、ギリシャ以来の3式+トスカナ式、コンポジット(混合型)の5種類です。
ドーリア式 | 前6~前5世紀を中心とする様式 |
イオニア式 | 前5世紀後半から前1世紀間を中心とする様式 |
コリント式 | 前4世紀からローマ時代中心の様式 |
ドーリア式(初期)は、柱頭に装飾が無く、太めで短い柱に浅い溝があります。代表的なものは、パルテノン神殿で、柱の高さは約10mあります。
イオニア式(中期)は、柱頭に左右相対の渦巻き状の装飾があり、羊のツノのよう。代表的なものは、あくろぽりすにあるニケ神殿で、この柱の高さは約4mです。
コリント式(後期)は、アカンサスと言われる地中海沿岸で見ることができる植物をモチーフとした柱頭です。アテネにあるオリュンピエイオンは、主神ゼウスに捧げた神殿で、柱の高さは約17mと細長いのが特徴です。
このオーダーは、基壇(きだん:基壇の上にその建物を支える)から柱、屋根までの形状や装飾までルールがあるんです。各部分の比例や装飾は時代や地域によって変化します。
イギリス西部の世界遺産の街「バース」のローマ浴場博物館では「ペディメント」と言われるギリシャ神殿の一部を間近で見ることが出来ます。まとめた記事はこちら
アテネの街を歩きながら、これはどの様式なのかなって考えてみるととても面白いですよ!
オーダーの生まれた場所はどこ?
オーダーはそれぞれ生まれた場所があります。
ドーリア式 | ギリシャ本土・南イタリア |
イオニア式 | 小アジアの西海岸 |
コリント式 | コリント、前5世紀後半〜 |
トスカナ式 | トスカナ地方 |
見る地域によって、様式が違うんですね。
見るべきポイント2は、柱の数!
ギリシャ神殿の柱の数は6柱と8柱とあり、円柱式なのか二重なのかと大きさによって柱の本数が変わっているんです!
さらに詳しく知りたい方向け
難しい言葉で言うと、全面柱廊(ペルプテラル)は円柱式です。柱6本で一重に柱が巻いているので、円柱式柱正面6柱と言います。
- メゾン・カレ(ニーム・フランス)
- マドレーヌ寺院(パリ・フランス)
- アセンブレ・ナシオナル(「国会議会」フランス)
- 大英博物館(ロンドン、イギリス)イオニア式です
また、二重柱廊(ディプテラル)は、二重周柱式といい、柱が8本だったら二重周柱色正面8柱と言います。
本物は別の場所に!
最初の方でお伝えしたように、アクロポリスにある神殿の一部は、隣の「Acropolis Museum(新アクロポリス美術館)」で保存されております。
少女の立像はレプリカ
アクロポリスのある「エレクティオン」には、円柱の代わりに少女の立像があります。これを「カリュアティデス」と言います。写真のように近くで見ることが出来ないので、ぜひ「Acropolis Museum(新アクロポリス美術館)」で本物を間近で見て欲しいです。
本物はこんな間近で見えます。
Acropolis Museum(新アクロポリス美術館)の基本情報
住所 | Dionysiou Areopagitou 15, Athina 117 42 ギリシャ |
営業時間 | 9:00-17:00 |
定休日 | ー |
HP | https://www.theacropolismuseum.gr/ |
料金 | €10〜 |
ギリシャの神々と星の関係知ってますか?
ギリシャ神話には数々の神様が出てきますが、特に有名な「オリンポス12神」をゆるっとご紹介!
- ゼウス→ユピテル→ジュピター(木星)
- ポセイドン→ネプテュヌス→ネプチューン(海王星)
- ハデス→プルトン→プルートー(冥王星)
- アルテミス→ディアナ→ダイアナ(月)
- アプロディナ→ヴェヌス→ヴィーナス(金星)
- ヘルメス→メルクリウス→マーキュリー(水星)
- エロス→クピド→キューピッド
一部だけご紹介しましたが、文献により12神か14神かと若干異なります。ギリシャ神話に出てくる登場人物は星座の名前にもなっています。
小話
西洋の教会建築が、西から東に旅することで少しづつ変化することに、とても興味を持ちました。例えば、同じスペインの中でもマドリード(Madrid)にいるのとモロッコに近いセビージャ(Sevilla)にいるのとでは街の雰囲気が違います。こういった変化は、何が影響しているのか、歴史や宗教から読み解くと少しずつ分かってきます。
まとめ
今回は、ギリシャ・アテネにあるギリシャ神殿についてどのような違いがあるのか、観光で見るべきポイントをまとめました。アテネには、パルテノン神殿などこれからの西洋建築の元になる建造物がたくさん!
ヨーロッパに旅行するのであれば、こういった特色を知っておくと観光もさらに楽しくなります。世界史で習ったあの世界が、実際目の前にある光景はとても楽しいです。写真とともにわかりやすく簡単にまとめましたので、ぜひ旅行に行く際にチェックしてくださいね。また、観光後に見返しても楽しいかもしれません。
このブログでは、世界26カ国を女ひとりで旅してきたMisatoが、海外旅行に役立つ情報を発信していきます。ぜひこれからもチェックして旅行の際に役立ててくださいね。
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